残念な呉服屋さんの思い出

10年か11年ぐらい前、私が少しずつ着物に興味が出てきたけどまだ本腰が入っていなかった頃、「ふくさとしても使える小風呂敷」を探しに、とある駅ビルの呉服売り場に入った時のことです。

 

そこで若い二人の店員さんから、とても残念な対応をされた思い出話をひとつ、ご紹介します。

 

ごく一部の残念な呉服屋さんが、着物離れを招く!?

「あのー、ふくさとしても使えるような小風呂敷ってありますか?」と尋ねると、「大変申し訳ありませんが、当店には置いていません」との回答だったので、帰ろうとすると、「今ちょうど展示会を開催中なんです。ご覧になりませんか?」と言われました。

 

「別の用事を済ませている夫と待ち合わせているので」と断ろうとしたのですが、「すぐ済みますから」と中に案内されまして・・・。

 

そこでもう一人の若い店員さんが、「辻が花の素晴らしい着物があるんです。当ててみませんか?」と。なかなか断りづらい環境だったので、とりあえず言われるままに当ててもらいました。鏡を見ると、着物自体は確かにとてもきれいで、質も悪くなさそうでした。

店員さんの1人が、「お客様には少し渋すぎるかもしれませんね。もう少しポップな小紋をお持ちしますので、ぜひそちらも当ててみてください」とさらにリクエストが。

 

「夫との待ち合わせ時刻も迫ってるので、これで失礼します」と言ってもなかなか解放してくれず、細かいチドリ格子のピンクの小紋もお試し。

こちらは正直、とても私好みで、「あら。似合うわ!」という感じではあったのですが(笑)、帯と小物、帯留までコーディネートして9万8千円ぐらいを提示されました。

「この内容でこのお値段はあり得ない安さです!分割でもいいので、ぜひいかがですか?」とほとんど詰め寄られる感じで・・・。

 

「いえいえ、独断でそんな急には決められません。それに、実家が呉服屋なので、正直、値段はどうにでもなりますので、必要な時にはそちらで探しますから。」と言ったのですが、「そうはおっしゃいますが、こういうものは一期一会ですよ。このチャンスを逃したらもったいないですよ」と強引なセールスに入ってしまいました。

 

そこで、「あのー、もう本当に待ち合わせに遅れるので、帰らせていただきたいんです!」と言い張り、その場を後にしようとしたら、「次回の展示会の案内をしたいので、ご住所とお電話番号を」と言われ、書かないと帰らせない気満々だったので、仕方なく書いて、やっとこさフリーになり、店を出ることができました。

結局、1時間ぐらいつかまってしまい、夫との待ち合わせ時刻まで他のお店も見たかったのに全く見ることができず、しかも待ち合わせに遅れるという残念な結果になりました。

 

誹謗中傷に当たるので店名は伏せます。

皆さんも「あそこですか?」などの書き込みはご遠慮くださいね。

 

しかし、ごく一部の呉服屋さんでこのような強引な押し売りに近いようなことをしていることが原因で、「呉服屋は怖い。もう行きたくない」と感じてしまう方が少なからずいらっしゃるかと思うと、着物好きとしては大変残念で悲しい気持ちになります。

 

その一方で、京都のとある着物屋さんは、東京などで販売会を開催したりしていますが、強引な押し売りは一切しないで、格安の着付け教室まで開催してくれて、コーディネートの相談などにも乗ってくれたりして、大変良心的なお店です。

以前、この京都のお店で「着物座談会in東京」が開催されたので参加したのですが、参加者の皆さんと上の強引なお店の話題で盛り上がってしまいました。

 

着物の世界に足を踏み入れようとするとき、一度は経験してしまうかもしれない、押し売りきもの店の攻撃。それを乗り越えて多くの方に着物ライフを楽しんでいただきたいと願う今日この頃です。

 

【追記】

強引なお店からは、その後、電話がかかってきました。

たまたま電話に出た夫が、「妻はもう二度と話したくないぐらい怒ってます。今後はご遠慮ください」とビシッと言ってくれたので、その後、そのお店からは二度と案内状も電話も来ていません(笑)。

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