こんにちは。
着物大好き田舎暮らし主婦の星屑倶楽部です。
これまで、この「着物エッセイ」のカテゴリーでお話しした私の着物好きへのきっかけの話ですが、「義母の葬儀の時に喪服を自分で着られないどころか、帯揚げって何?という情けない状況だったこと」「朝の連続テレビ小説『だんだん』を見て着物が素敵に見えたこと」「浴衣を着て花火大会に行って彼(現在の夫)との素敵な思い出が作れたこと」などを挙げました。
実は、もうひとつあるんです、私の着物好きへのきっかけ。
それは、上村松園です。
和装の女性を美しく描いた、上村松園。
上村松園(うえむらしょうえん)。
京都出身の日本画家で、女性で初めて文化勲章を受章した人です。
代表作に「序の舞」「鼓の音」「母子」「人生の花」「花がたみ」などがあります。
宮尾登美子さんの小説「序の舞」のヒロインのモデルになった人物で、映画「序の舞」ではこの小説の主人公を名取裕子さんが演じていらっしゃいます。
さて、この上村松園ですが、いわゆる「美人画」の名手でして、着物の柄の詳細をとても丁寧に描いています。そして、かんざしなどの髪飾りの描写も細かく丁寧で、何より、髪の毛の一本一本さえも手を抜かずに表現している感じがあります。
そして、これは私の夫の意見ですが、松園の描く女性は少しふっくらとした顔立ちに切れ長の目が特徴ですが、この「目」が非常に奥ゆかしい優しさを秘めていて、いわゆる女の色気みたいなものを感じさせない、そこが素晴らしいということです。
そう言われれば、竹久夢二の描く女性とは、随分イメージが違いますよね。もちろん、夢二には夢二の独特な魅力があると思いますが、個人的には、私は松園の女性像が好みです。
で、この上村松園の絵の中に「舞仕度」というのがあります。薄藤色の着物を着た女性が、舞を舞う準備をしているという絵です。
この薄藤色の着物がとても私好みなんです。
父方の祖母が呉服屋だったという話は前にも書きましたが、あるとき、祖母が「今度、着物を作ってあげる。どんなのが好み?」と聞いてくれたことがありました。
それで、私は持っていた画集を見せて、「舞仕度」の絵を見せながら、「こんな感じのが好み!」と言いました。
そうしてでき上がって来たのが、きれいな薄藤色の訪問着でした。
まだ着物を着始めて間もない頃なので、着付けがちょっと・・・かもしれません。ご容赦を。
そんなこんなで、私の初めての着物は、上村松園の「舞仕度」のイメージを祖母に伝えたことから手元にやってきた、はんなり系の訪問着でした。
訪問着なので、そんなにしょっちゅう着る着物ではありませんが、学生時代の後輩の結婚式で着ました。礼装用の草履がきつくてつらかったな・・・あとで考えたら、自分で少し引っ張ったりして調整すれば良かったんですね。
うーん、やっぱりいいですね~この訪問着。
もっと着る機会を作りたいですね。歌会始とか出してみましょうか。
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